〜安心して暮らすための終活マネープラン〜
「お金の管理に少し自信がなくなってきた」
「最近、詐欺のニュースが多くて心配になる」
そんな声を高齢の方から聞く機会が増えてきました。
年齢を重ねることで体や判断力に変化があっても、できるだけ自分らしく暮らし続けたい。
そのためには、“お金”の管理をどうするかは、とても大切な終活の一つです。
今回は、高齢期に起こりやすい金銭トラブルや、予防のための工夫、必要に応じて活用できる制度について紹介します。
年齢とともに変わる「お金の管理」
高齢になると、手先の動きや記憶力、判断のスピードなどが少しずつ変わってきます。
たとえば…
- ATMの操作に時間がかかる
- 暗証番号を忘れてしまう
- 以前は慎重だったのに、すぐに物を買ってしまう
こうした変化は、本人のせいではありません。
でも気づかないうちに、「お金が足りない」「おかしな契約をしてしまった」といったトラブルにつながることもあるのです。
よくある金銭トラブルの例
私のまわりでも、こんなケースがありました。
- “お試し”と思って頼んだ健康食品が定期購入だった
- 家に来た業者の話を断れず、高額なリフォーム契約をしてしまった
- 親しい知人からのお金の貸し借りが返ってこない
- スマホに届いたメッセージを信じて個人情報を送ってしまった
本人は「まさか自分が…」と思っていたと話されることがほとんど。
でも、それだけ詐欺や悪質商法の手口が巧妙化しているのが現状です。
安心して暮らすためにできること
不安だからといって、すべてを家族に任せてしまうのも、かえってストレスになることがあります。
「できる範囲で自分で管理しながら、必要な部分だけ助けてもらう」という考え方が、心地よいバランスかもしれません。
たとえば…
- 通帳や印鑑の場所を、信頼できる家族に伝えておく
- 使う口座やクレジットカードを最小限に絞る
- よく使うお金は別口座にして、残りは家族に見守ってもらう
- スマホやパソコンにはフィルター・ブロック機能を設定する
こうした小さな工夫でも、日常の安心感は大きく変わります。
家族との話し合いが“備え”になる
「お金の話」は遠慮や気まずさがあって、なかなか話題にしづらいもの。
でも、将来のトラブルを防ぐためにも、家族や信頼できる人と少しずつ“お金のこと”を共有する時間を持っておくことが大切です。
- 今後、どのように管理していきたいか
- 万が一の時、どうしてほしいか
- 認知症が進んだ場合はどうしたいか
本人の意志がはっきりしているうちに、周囲と話し合っておくことが、安心につながります。
制度を利用するという選択肢も
もし「これからの管理が不安」「家族が遠方にいて難しい」といった場合は、制度の利用も一つの選択肢です。
🔸 社会福祉協議会の「日常生活自立支援事業」
軽度の認知症や障害などにより判断力が不十分な方に対し、お金の出し入れや支払い、通帳の保管などを支援してくれる公的なサービスです。
市町村の社会福祉協議会(社協)が窓口となっており、地域包括支援センターを通じて相談・利用ができます。
「成年後見制度を使うほどではないけれど、少し手助けが必要」という方にとって、心強い仕組みです。
🔸 成年後見制度
判断能力が低下した際に、家庭裁判所が選任した後見人が財産管理や契約を代行してくれる制度です。
🔸 任意後見制度
将来に備えて、判断力があるうちに後見人をあらかじめ選んでおくことができます。
🔸 家族信託
家族に財産を託して管理・運用してもらう方法。自由度が高く、生前から活用できるのが特徴です。
それぞれメリットや手続きの違いがあるため、「自分に合った方法はどれか?」を専門家や支援者と一緒に考えていくと良いでしょう。
まとめ:お金の“安心”は心の“ゆとり”につながる
「お金のことを人に話すなんて…」
「自分はまだ大丈夫」
そう思っていても、誰にでも不安や変化は訪れるものです。
終活とは、“死に備えること”ではなく、“これからを安心して生きるための準備”でもあります。
お金の管理を見直すことも、その一つです。
「やっておいてよかった」と思える備えを、できるところから始めてみませんか?
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