歌って元気に楽しもう|心も体もいきいきする「歌のちから」

健康と暮らし

「最近、歌っていますか?」

音楽は、私たちの人生に寄り添ってきました。喜びのとき、悲しみのとき、懐かしい思い出の中には、いつもあのメロディが流れていた。年齢を重ねた今だからこそ、「歌うこと」が心と体にどれほどの恵みを与えてくれるかを、あらためて見つめてみませんか?


歌うことは、立派な健康法

まずお伝えしたいのは、「歌うことは健康にとても良い」ということです。高齢になってからの健康法というと、ウォーキングや体操、栄養バランスの取れた食事などが思い浮かびますが、歌うこともそれに並ぶ“健康習慣”のひとつです。

たとえば──

  • 口や喉の筋肉をしっかり使うことで、嚥下機能の維持・向上につながる
    → 誤嚥予防にも効果的です。
  • 歌うときの呼吸は、自然と深くなるため、腹式呼吸や肺活量の維持に
    → 酸素を取り込む力が高まり、全身の血流も良くなります。
  • リズムに合わせて姿勢を正し、体幹を使うことで、軽い運動効果も期待できる

そして、何より大きいのは「楽しい!」という気持ちです。
楽しい時間、笑顔、気持ちの高まり──それはまさに、健康そのもの。
医療の現場でも、「楽しいと免疫力が上がる」と言われるほど、感情の持つ力は侮れません。


認知症の方も歌う「音楽の記憶」

私のように福祉や介護の現場に携わっていると、日々の支援のなかで「歌の力」を強く感じることがあります。

たとえば、重度の認知症をお持ちの方が、普段は言葉数が少なくても、「ふるさと」や「青い山脈」などの歌になると自然と口ずさむという場面は少なくありません。

音楽、とくに歌詞とメロディが結びついた「歌」は、脳の深い部分に働きかけると言われています。たとえ記憶障害が進んでいても、「若いころに何度も歌った歌」は心に残っているのです。

そんなとき、目を閉じながらゆっくりと歌を口ずさむ方々の表情は、とても穏やかで、どこか懐かしさをかみしめているように見えます。
そしてその表情を見ている周囲の私たちも、自然と心があたたかくなるのです。


心も晴れやかに、前向きにしてくれる

歌は、心を解きほぐします。

思い出の歌を歌えば、若いころを思い出し、当時の気持ちが蘇ることもあります。
童謡や唱歌を歌えば、季節の移り変わりや行事の記憶も一緒にやってきます。

そして、何より──

  • 歌うことで、心が落ち着く
  • 歌うことで、元気が出る
  • 歌うことで、涙が流れることもある

それはすべて、心が動いている証拠です。
高齢になると、人との関わりが減り、感情を外に出す機会も減りがちです。
そんなとき、歌うことが“自分を解放する時間”になるかもしれません。


一人でも、みんなでも。どこでも楽しめる

歌うことに特別な道具や場所は必要ありません。
家で一人でも、お風呂でも、台所仕事をしながらでも、どこでもできます。

また、カラオケが好きな方なら、最近では「おうちカラオケ」も手軽に楽しめますし、スマホで再生するだけでも十分。
YouTubeで「懐かしの名曲」「昭和歌謡」「童謡カラオケ」と検索すれば、無料でたくさんの曲を見つけることができます。

デイサービスや高齢者施設でも、「歌の時間」はとても人気があります。
みんなで輪になって、音楽に合わせて手拍子をしたり、一緒に口ずさんだり。
それだけでその場の空気がやさしく、笑顔が増えるのです。


歌ってつながる、人生を楽しむ

「歌なんて最近、歌っていないな…」
そんな方にこそ、ぜひ思い出してほしいのです。

  • 小学生のときに覚えたあの唱歌
  • 若いころ夢中になったあのアイドルのヒット曲
  • 結婚式や旅行で歌った、あの思い出の一曲

人は、歌とともに生きてきました。
そして、これからも歌とともに人生を楽しむことができます。

一人でも、誰かとでも、どんな場所でも。
歌うことで心が前向きになり、体も元気になります。


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体調がすぐれないときも、気分が落ち込んだときも。
お気に入りの一曲を歌ってみるだけで、少し心が軽くなったりします。
音程なんて気にしなくていい。
声が出づらくても、小さな声でもいい。
大切なのは「楽しむこと」。

どうぞ今日から、歌う時間を少しだけ生活の中に取り入れてみてください。
あなたの人生に、あたたかくてやさしい彩りが、もう一度戻ってくるはずです。


■Q&Aコーナー

Q1. 歌うことに自信がないけど、やっぱり効果はあるの?

A. はい、上手下手に関係なく「声を出して歌う」という行為自体に効果があります。呼吸が深くなり、口の動きや発声が活性化されるため、誤嚥予防や表情筋の維持にもつながります。好きな曲を口ずさむだけでも、心が和みますよ。

Q2. 一人でも歌の時間を楽しめますか?

A. もちろんです。一人で好きな音楽を聴きながら口ずさんだり、カラオケ機器やテレビの音楽番組に合わせて歌ったりするだけで、脳と心が活性化されます。CDやYouTubeなどを活用して、自分のペースで楽しみましょう。

Q3. なぜ昔の歌を聴くと涙が出たり懐かしい気持ちになるの?

A. 音楽は記憶と深く結びついています。青春時代や人生の節目で聴いていた歌は、当時の感情や出来事を自然に思い出させてくれます。これは認知症の方にも顕著で、歌を通じて心を動かすことができる大切なツールでもあります。

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